限界突破してきた〜第37回50km夜間歩行

1月22日〜23日に行われた第37回50km夜間歩行に参加してきました。



このイベント、存在自体は知っていましたが、今までは参加せず。
なぜならあまりにも内容がハードすぎるから。

考えてみてくださいよ?
このクソ寒い時期に夜中ぶっ通しで歩くんですよ?
スピード感無いし、寒いし、眠いし。

誰が出るんですかHAHAHAHAHAHAHA・・・。


と思っていた去年までの私、サヨウナラ。

チャリならまだしも50キロ歩くなんて未知の領域。RUNでも精精20キロぐらいだし。


とはいえ密かに去年から人脈・行動共に今までとは違う活動をする・挑戦をすることにしているのと、去年チームメイトの山中しかのすけ氏が夜間歩行についていかにキツイかを楽しそうに笑顔で語るので一度は自分でも経験せにゃいかんなぁと。

先日のリハの際、一筋縄ではいかないとは実感していたが、まだどこかナメている自分がいた。


そして1月22日。昼間はピーカンで久々に暖かい一日。夜の放射冷却が予想される。
2時間ほど昼寝をし、準備して開会式場である県民文化センターへ。
寒さを想定した、防風インナーウェアにより暑すぎて潜伏先から1キロもいかないうちから既に汗まみれ。

そして18時半頃に会場到着。

既に会場には物好き参加者がぞろぞろと集結している状況でした。

今回のイベントに同行する方(先日と同じ)に挨拶をし、すぐにトイレで着替え。それでも外で歩くことを想定した服装ゆえ室内では暑い。


一応服装は

-UNDER ARMOUR COLDGEAR
-自転車用 ウインドストップジャージ
-10年以上前のシェラデザインズのエントラントのジャケット

-ワコールCW-X エキスパートモデル
-2XU ゲーター
-GOLDWIN 防風インナーウェア(オートバイ用)
-モンベル カーゴパンツ

-ソロパッズ トレッキングソックス
-メレル MOAB MID(インソール:ショックドクター)
ザック ドイター トランスアルプ

待っている間に重大なことが発覚。
キャメルバッグが激しく水漏れをしていたこと。
普段は入れない暖かい飲み物を入れたことが原因なのかチューブ接続口からダダ漏れ。応急手当てをするも1/3ぐらい既に漏れ、ザックとウェアを濡らしていました。

そんなコトしていると主催者に促され開会式場へ。

小学生?の和太鼓演奏が行われていました。

やがて始まる開会式。

主催者の南さん。
過去のレポートなんかを読んでいるとタキシード姿が印象的だがこの日は土方のあんちゃん風。ありがたいお言葉を聞いてこの人本質的にドSだと確信したり。

この日のエントリーは700人オーバー(実参加は650ぐらい)だとか。
初参加は400人ほど。つまりなんども出る懲りない人が300人もいるということに。


やがてスタート時刻に。
「カメラを落とした人〜」と壇上で言う司会のおねーさん。
いきなりから忘れ物するとは間抜けな奴と思っていたら自分でした


記念撮影したりしているとうちのグループはほぼ最後尾。
先は長いんだしええか。

そうして長い旅が始まったのでした。

出発してすぐにアクシデント。
本来ならすぐに北上してロッツ横を通るルートを県民文化センターからまっすぐ東に行ってしまう。

このため正規ルートで行ったであろう集団からは少し前へ。
距離的なものよりも信号待ちの関係だと思うのだが。

その後集団は芦田川土手へ。

振り向くとぞっとするほどの人数が。
知らない人が見たら怪しい宗教の集団か?

なんて会話をしながら歩いていきます。


このイベント、基本的にはチェックポイントとかはないのだが、オフィシャルの休憩ポイントは幾つかあり、最初の休憩ポイントはスタートして8キロの幸千中学校。同行の皆様はスルーされたのだが、私はトイレへ。

校舎内では結構トイレ渋滞が起こってた。

トイレから出て再スタートすると人がまばら。
やはりスルーする方が多いようで、急いで同行者を追うことに。

少し駆け足で追い合流。
このころになるとだいぶ集団がバラケ始め、ペースが上がり始める。

土手を抜け、県道に入ると歩道とは言えない路肩のような場所を歩く夜とはいえ車もおり、棒状の集団になっていた。

しばらくしていると、中学生の集団に捕まりペースが上げにくい。
さらに尿意がまたも迫り、少し小走りで前へ。

そこからはしばらく単独行動。

国道に出る頃には周りに人も少なくなり目標となる先行者にゆっくりと追いついていく。

新市に入り、最初のコンビニ(ファミマ)があるが、行動食の蓄えは十分だったのでここはスルー。かなりの参加者が暖をとっていたけど今のペースがいい感じだったのでそのまま府中方向へ。


府中に近づくのと時間経過と共に下がり始める気温。
動きつづけているのでそれほど冷えないが、停まるとどうしようもなく寒い。


府中入り。ここまでは一応ノートラブル。眠気は大してなくまだ余裕。
時々他の参加者と話をしたりしながら進むとスタートから19キロ地点のオフィシャル休憩ポイントつるや駐車場。事前の打ち合わせでその向かい側にあるコンビニで待ち合わせることになっており自分も補給休憩へ。

当然店内は参加者だらけ。
ここまでの空腹とこの先の補給の為食料調達。この先もコンビニが3店舗あるのだが参加者に対しての供給は限られるので次買えなくてもいいようにしておいた。

あまり休憩が長すぎると歩けなくなる&続々と後続が押し寄せてきたので出発。

府中ハローズ前辺りで日付が変わるが眠気もなくまだ序盤の様相。しかし気温は確実に下がり始めている。

暫く行くと補給としては最終となる父石のコンビニ二軒。進行方向右にセブンイレブン、左にローソンがあるのだが今回はローソンに行くことに。

大半の参加者が手前のセブンイレブンに行く中、ローソンにいくと既におにぎりサンドウィッチ類は壊滅。

多少余裕があったのでトイレを済ませ再出発。

やがてやってくる地獄?の分岐点。


スタートから24キロの下川辺交差点。

ここまではプロローグだった・・・。


此処から先はほぼ登り基調のコンビニ無し歩道もたまに無しの道。
集団はさらにバラケ、おまけに突然歩道が溝に変わるトラップ付き。

自転車のレースで言えば山岳ステージの本格山岳地帯突入前の平地区間みたいな物。
ここからはようやく登り始めみたいな物。

しかも深夜。
そろそろ疲れが出始め、自分も膝裏側と踵部分に違和感が出始める。

そして遂に温度計登場。
今年は-1℃。去年はもっと寒かったらしい。

そして舞台は着々と八田原ダムへと近づく。

ここまでは登り基調とはいえまだゆるい。
河佐駅〜八田原からは急勾配の登りが控えている。

そんなわけでまずはオフィシャル休憩ポイントの河佐駅でトイレ&豚汁休憩。

ここまでまばらだった参加者も難所を前に休憩。

ちなみに豚汁、味はかなり薄め(大人数対応にしたためらしい)でしたが、暖かいものが食えただけで大満足。


そして出発前に集合写真。

ここからは一気に標高が上がる。
ステッキ持ちの方はここで準備されていたり、寒さ対策で着込んだりと。
我々も出発。

自分はテンションを上げるためここから安物携帯音楽プレイヤー投入。
先に投入し、ミック・ジャガーの生霊が乗り移ったO先生が先行するもメタル魂に目覚めた私はすぐに抜きそのまま自滅気味のハイペースで一気に登る。

そして八田原ダム横へ。


下見時と比べマシとはいえ、ところどころに残雪があり明らかに寒い。

そして先ほどハイペースが祟り、足の痛みが強まりペースダウン。

芦田湖湖畔へ。残り20キロ切っているが、疲労の色はますます濃くなり苦し紛れのストレッチをカマしながら進む。

芦田湖湖畔道路に入るとさらに人はまばら。
自分が照らすヘッドランプを頼りに進んでいく。

同行者と話をするも次第に濃くなる疲労でだんだんと口数も減ってくる。
踵の痛みをカバーするために不自然な歩行を続けていたためか不意に強くなる左大腿部に激痛が走る。

だが止まれない。
泊まったらもうスタートできない気がするから。
時々ストレッチしつつ意志の力で歩き続ける。

ボロボロになりつつ残り11キロ地点の備後三川駅へ。
トイレを済ませ、皇族が合流次第すぐにスタート。

もう皆にペースを合わせるのは無理。
再びイヤホンを付け、音楽で気を紛らわせる。

何故かポニーが道端で草を食っていたりでかいうんこをしていたりしていたがもはや突っ込む気力なし。言うことのきかない脚を無理に動かし続けている自分。

体はとっくの前から停止命令を出している。

普段は職業上「無理はしないでください」を連呼している自分。

自分って一体なんだろうか?今何しているんだ?なんて考えつつとにかく一歩でも前へ。
国道から別れるといよいよ残り6キロ。
しかしここからは残雪も登場。
凍った路面で滑りそうになり脚に余計な負担をかけてしまう。

そして遂に矢野温泉通過。残り4キロ。

ここからは凍結路面に加え、峠三連発。

凍結路面で滑りそうになる上、疲労困憊した局面では下り坂は相当堪える。

周りの参加者も皆何処かおかしい歩き方ばかり。

みんなしんどい。

それでも前へ。

抜いたり抜かされたりする際はお互い声を掛け合う。

そして遂に最後の峠へ。

登り切ると同行者が待っていてくれた。
皆でゴールしようと。

非常に嬉しかった。

しかし最後の下りでは皆に全くついて行けない。

疲労と痛みで今すぐにも止まりそうな自分を無理やり歩かせる。

ゴール地点手前でみんなが待っていてくれた。


そして

遂にゴール。

出発から11時間12分。

歩くぐらい・・・なんて正直なめていた自分だったが、満身創痍・疲労困憊のボロボロ。それでもここまで自分の足で来ることができた。

そして、完歩証授与。
同行メンバーの姿をカメラに納めようとしたが、ここで気が緩んだ私。
今まで無視し続けた疲労とか痛みとかが一気に押し寄せてきたのか急に強烈なめまいと吐き気が襲う。

そして一瞬意識が飛ぶ。

ほんとに一瞬だったが顔面蒼白で見るからに危ない状態だったとか(それでもシャッター切り続けた)。

そして遂に自分の番。

主催者の南さんは一人ひとり気持ちを込め完走証を手渡されてた。

過去にないくらい疲労困憊(※単純な疲労度では去年の泥んこ忘年会よりも上)だったけど充実感もあったのは確か。

一人で歩けないほど消耗して肉体の限界を意思のチカラでねじ伏せ、文字通り自分の限界を(ある意味)超えてしまった。

正直言ってこれを書いている時点では、「来年も出ます」なんて思えない。


けど、とても大切な貴重な体験だった。

最後に一緒に歩いてくださった方&スタッフ&紹介してくれたしかのすけ氏などの皆々様、有難うございました。